目次
はじめに
「外壁の汚れや苔が気になってきた」
「訪問業者に塗装を勧められたけど本当?」
「外壁塗装の必要性はあると思うが、一歩が踏み出せない」
そんなお悩みを持つ方もいるのではないでしょうか?
外壁塗装工事は一生に1~2回しかないお住まいの一大イベントです。そのため、多くの方がその重要性や適切な塗り替え時期を知らないままに過ごしています。
この記事では、外壁塗装の重要性、塗装しなかった時のリスク、外壁塗装のタイミングを見極めるポイントについて解説します。
1 外壁塗装はなぜ必要?
外壁塗装の一番重要な役割は建物を保護することです。
建物は、紫外線や風雨、排気ガスなどの汚染物質に日々さらされ徐々に劣化していき、月日の経過と共に汚れやコケ、チョーキング現象(白い粉が付く)、ひび割れ、目地の傷みや塗膜の剥がれなど様々な劣化症状が目立ってきます。
劣化の進行に伴い防水性が低下した建物はやがて基礎部分まで腐食が進み、塗装だけでは対処できないような大規模なダメージにつながりかねません。
外壁塗装は、お住まいの美観を保つだけでなく、建物が直接劣化要因を受けることから守っているのです。
2 外壁塗装しないとどうなる?
外壁塗装のタイミングを逃し劣化症状を放置すると、いくつもの問題が引き起こされます。
今後のメンテナンスプランを考える上でも、どのようなリスクがあるのかを理解していきましょう。
2-1外観の悪化
外壁の劣化が進行してくると、汚れや色あせ、コケやカビなどが目立つようになってきます。外壁の劣化は、ただ外見が悪くなるだけではありません。これらの症状を放置してしまうと、外壁は水分を吸収しやすくなり、ひび割れや塗膜の剥がれなど更なる劣化症状を招くことになります。
2-2外壁の寿命低下
塗装を行う重要な目的のひとつに防水性の向上があります。
意外かもしれませんが、外壁の素材自体は防水性が低いものが多く、塗り替えにより塗膜で外壁を守らなければ内部構造への損傷を引き起こすことにつながります。
水分は木材の腐食やカビの発生を促進させ、建物の強度を低下させる大きな要因となります。
劣化症状が重度化する前に塗り替えをすることで、大切なお住まいの寿命を延ばすことができます。
2-3雨漏りの発生
外壁の劣化を放置すると外壁内部に水分が侵入し、雨漏りにつながります。
雨漏り修理は塗装工事のみよりも費用が高くなるため、適切なタイミングでの塗り替えで無駄な出費も抑える事ができます。
2-4内部腐食やシロアリ被害
内部腐食やシロアリ被害まで状況が深刻化すると大規模な修繕が必要になってきます。
早期対策により、より大きな修繕費用や外壁材張り替えの必要性を避けることが出来ます。
外壁の軽度な劣化も見逃さず、定期的な点検と修繕、適切な時期での塗装をおこなうことで、住まいの美観を長く保つことができ、居住する家族の心理的な安心感にもつながります。
3 外壁塗装のタイミングを見極めるポイント
塗り替えのタイミングとしてよく耳にするのが「築年数もしくは前回の塗装から10年前後経過していれば」です。
それは、外壁塗装でよく使用されていたシリコン系塗料の耐用年数が7~10年だったためです。また、現在国内では多くの住宅に窯業系サイディングが使用されており、窯業系サイディングのメンテナンスが必要になる時期が10年前後になることから、外壁の塗り替えも10年ごとに必要といわれていました。
しかし、塗料の種類は多様性に富んできており、また外壁材の種類もさまざまです。
本当に【10年前後】とひとくくりに考えて良いのでしょうか? そのことを踏まえつつ、おおよその目安を知るために外壁塗装のタイミングを見極めるポイントをひとつずつ見ていきましょう!
3-1 外壁材の種類から見極める
現在使用されている外壁材の種類からおおよその塗り替えのタイミングを判断することはできます。
外壁材の種類毎のメンテナンス時期は以下の通りです。
一般的に、木質系・モルタルは5~10年周期、窯業系・ALCは10年前後が塗り替えの検討タイミングといわれています。
しかし、近年は性能の高い商品が出てきており、特に窯業系サイディングは高耐候性・高耐久性でメンテナンス周期を15年や30年程度としている外壁材もあります。
外壁材の種類から塗り替えのタイミングを知るためには、まずご自分のお住まいがどんな仕様なのかを確認することが重要です。
また、外壁材の耐用年数とメンテナンス頻度は必ずしも一致しているわけではありません。耐用年数を全うするためには定期的なメンテナンスが欠かせないといいうことも忘れてはいけません。
3-2塗料の耐用年数から見極める
現在の外壁にどんな塗料が使用されているのかによって塗り替えのタイミングは異なります。
塗料の種類毎の耐用年数の目安は次のようになります。
お住まいの外壁に使われている塗料を確認するには、新築時や塗り替え時の資料が必要になりますが、それらに記載がない場合もあります。
一概には言えませんが、従来の新築時の塗装は5~8年の耐久性のものが多く、1回目の塗り替え時も耐久性10~13年程度の塗料で施工している方が多いようです。
しかし、外壁材同様、塗料に関しても各メーカーから次々に優れた性能の塗料が開発・販売されています。
ひとくちにシリコンやフッ素というくくりで耐用年数を判断するのが難しい時代になってきています。
3-3劣化症状から見極める
適切な塗り替えのタイミングを見極めるためには、いくつものポイントを多角的に捉える必要があります。
外壁材の種類や塗料の情報と共に、実際の劣化症状をしっかりと診断し、総合的に判断することが非常に重要です。
また、お住まいの立地条件や周辺環境なども考慮する必要もあります。
以下のような症状が見られたら塗膜が劣化していることを示し、メンテナンスが必要になります。
劣化症状が塗膜だけでなく素材にまで及んでいる場合は塗装工事だけでなく修繕工事も必要になってくる段階です。
各症状について詳しく解説します
レベル1:すぐに塗装が必要ではないが定期点検を忘れずに
●汚れ・汚染
外壁の表面が水分を吸収しやすくなっているサインです。
塗装が必要というわけではありませんが、塗膜が傷みだした一つのサインです。
※外壁の意匠性やデザインをそのまま残せるクリヤー塗装の場合は、劣化が進行する前のレベル1の段階が塗装のベストタイミングです。
●ヘアークラック
0.3mm以下の髪の毛ほどの細さのひび割れ
劣化症状ですが早急に補修が必要というわけではありません。しかし、年月と共に症状は進行するので注意して見守っていく必要があります。
レベル2:塗装を検討し始めるタイミング
●色あせ・変色・退色
主に紫外線によるダメージによって、塗料の膜である塗膜自体の防水性が低下してしまっているサイン。
色褪せ・変色・退色は汚れと違って清掃では取り除くことができません。
●チョーキング
塗膜が紫外線や熱により痩せて、顔料(色の成分)が表面に出てきてしまっている状態で、防水機能が失われてきているサイン
レベル3:早めの対処が必要なタイミング
●コケ・藻・カビ
壁面にこれらが発生した場合、塗膜が劣化して防水性が低下している状態です。
これらは根を張り、壁面に侵食していくので、ダメージも大きくなります。早めに対処した方が良いでしょう。
●ひび割れ(クラック)
ひび割れがハガキが入るほどの幅になっていたら危険信号
特に、窓や扉などの開口部周辺に発生する開口クラックは雨の影響を受けやすく、クラックから外壁内部への侵入口となり雨漏りとなるケースもあるため外壁材に応じた適切で早急な対応が必要です。
●シーリングのひび割れ、痩せなど
ここも雨水の浸入口となります。外壁自体に劣化症状が見られなくても、シーリング材にひび割れや痩せなどの劣化が見られたら対処が必要です。
レベル4:早急な対応が必要
●塗膜の膨れ・剥がれ
膨れや剥がれは塗膜が耐用年数を迎えているサイン
外壁材自体がむき出しになってしまうことで外壁材の防水性が失われ、水を吸い込むことで内部に雨水の浸入を許してしまう事にも繋がります。
●錆
一度錆ができてしまうと見た目に悪影響を及ぼすだけでなく、建物自体の強度・耐久性を減少させる可能性があります。
そのまま錆を放置してしまうと、腐食が進行し建物の駆体に重大なダメージを与えてしまう恐れもあるので、早期に対処することが大切です。
●外壁の反り・浮き
外壁の反りは、サイディングに起こる現象で、外壁材が雨水を吸収、乾燥を繰り返すことにより生じます。
反りが大きいと、その部分から雨水が内部に侵入することもあります。釘で打ち直すことである程度戻りますが、反りが大きい場合には外壁の張り替えとなります。
まとめ
いかがでしたか?
この記事では、外壁塗装の重要性、塗装しなかったときのリスク、外壁塗装のタイミングを見極めるポイントに焦点をあてて解説しました。
家は私たちの生活空間を守る大切な場所です。
劣化の兆候を見逃さず、塗り替えの適切な周期を理解することが、長期的なメンテナンスコストを節約し、お住まいの保護と美観を維持する鍵となります。
そのためには、『10年前後』というワードにこだわりすぎず、日頃からご自分で外壁の状態を確認することも大切です。
また、外壁塗装の知識を持つ専門家による診断も、塗り替え時期を見極め適切な対策を講じる上で欠かせません。
アークスでは【家は家族を守るもの だからこそこだわる】をモットーに、外壁診断の資格を持ったスタッフが、無料で建物診断を行っております。
お住まいのことでお困りごとがございましたら、遠慮なくお問い合わせください。